第七章
依頼は大切


「今日はまだ初日だから、この部屋で適当にくつろげ。」

そう言うと、鈴音はノートPCの画面に目を向けてタイピングを始める。 カタカタとテンポの良い音が部屋を支配する。さて、俺はというと 実際やることもないのでソファーに座ってコーヒーを飲んでいる。

「なあ、それって何やってるんだ?」

「報告書の作成だ。これを依頼者に渡して報酬をもらえば完了だ。」

「結構ちゃんとしてるんだな。てっきり前払い制で任務を完遂すれば 終了だと思ったぞ。」

「お前、どこかの殺し屋と間違えてないか?」

えっ、違うんですか。どこからどうみてもそのようにしか思えませんが。 どうも今日は目から鱗が落ちまくる日のようだ。

トントン。

「ここが相談所?」

どうやらお客さんのようだ。やってきたのは小学生くらいの男の子だ。

「どうぞこちらへ。」

事務的に話す鈴音。

「おい、お前が対応しろ。それくらいできるだろ。」

さっきは適当にくつろげと言ったくせに、なんてひどい上司だ。 まあしかし退屈から解放されるのは嬉しいので話を聞いてみる。

「それで、ここに相談っていうのは何だ。探しものか?」

「違う。お願いがあるんだ。」

「いったい何だ。」

「親を殺してほしいんだ。」

ちょ、初仕事にしてはずいぶんとダークな内容ですね。というか お子様がそんなことを口走るなんて、一体世の中はどうなってるんだ。 俺は久々に頭を抱えた。

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