|
依頼は大切 「今日はまだ初日だから、この部屋で適当にくつろげ。」 そう言うと、鈴音はノートPCの画面に目を向けてタイピングを始める。 カタカタとテンポの良い音が部屋を支配する。さて、俺はというと 実際やることもないのでソファーに座ってコーヒーを飲んでいる。 「なあ、それって何やってるんだ?」 「報告書の作成だ。これを依頼者に渡して報酬をもらえば完了だ。」 「結構ちゃんとしてるんだな。てっきり前払い制で任務を完遂すれば 終了だと思ったぞ。」 「お前、どこかの殺し屋と間違えてないか?」 えっ、違うんですか。どこからどうみてもそのようにしか思えませんが。 どうも今日は目から鱗が落ちまくる日のようだ。 トントン。 「ここが相談所?」 どうやらお客さんのようだ。やってきたのは小学生くらいの男の子だ。 「どうぞこちらへ。」 事務的に話す鈴音。 「おい、お前が対応しろ。それくらいできるだろ。」 さっきは適当にくつろげと言ったくせに、なんてひどい上司だ。 まあしかし退屈から解放されるのは嬉しいので話を聞いてみる。 「それで、ここに相談っていうのは何だ。探しものか?」 「違う。お願いがあるんだ。」 「いったい何だ。」 「親を殺してほしいんだ。」 ちょ、初仕事にしてはずいぶんとダークな内容ですね。というか お子様がそんなことを口走るなんて、一体世の中はどうなってるんだ。 俺は久々に頭を抱えた。 |