第八章
意思は大切


「お前まだ小学生ぐらいだろ。そんなこと軽々しく言うなよ。」 俺は説得を始めた。どう考えてもこの依頼は受けることができない。

「だって、いっつも勉強しろ勉強しろってうるさいんだよ。 僕にはもう無理なんだよ。」

「まあ俺にも覚えがあるからあまり強いことは言えんがな。 だからって殺しの依頼をするなんてやりすぎだろ。」

「でもそれしかないんだよ。お兄さんには僕の気持がわかるわけないよ。」

まあ似たような理由で不良やってるからわからんでもないのだが…。このままでは 埒があかないので完全拒否で終わらそうとする。

「だったらなおさらこの依頼は受けられない。」

とそこに鈴音が割って入ってきた。

「予算はいくらだ?殺害依頼ならばそれなりの相場だがな。」

「え、受けてくれるの?」

「それはお前の予算しだいだ。殺害方法も選ばせてやろう。」

「えっと、全財産が73,000円あるよ。方法は任せるよ。」

ちょ、それは少ないだろ。どう考えても受けれるような予算じゃない。 っていうか世間を舐めてるぞ、このお子様は。まあ、だからこそ こんな依頼を持ってくるのだろうが。そう思っていると 予想だにしない言葉が返ってきた。

「決行は1週間後、それまでに両親の生活パターンを調べて 最適な殺害方法を選ぶ。」

「本当に?ありがとう!」

「ただし、ひとつだけ条件がある。」

「何?」

「最後はお前自身がやれ。」

「えっ?」

「殺したいほど憎いなら、自分でやりたいだろう?」

視線をディスプレイに固定したまま、鈴音は事務的な台詞を淡々と続けていった。

>前のお話 >次のお話