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束の間の平和は大切 「やっぱり平和が一番だな。」 俺はつくづくそう思う。ここ一ヶ月は本当に生きた気がしないような 日々が続いた。訳ありな人の護衛を手伝ったり軽犯罪者を再起不能に 追い込んだり法で裁けない悪人をごにょごにょしたりで、本当にここは 日本なのかと疑いたくなるような出来事ばかりだった。 その日々に比べれば学校なんてものは本当に快適だ。ただ座って教科書を 眺めていればいいのだから…。そのことを実感されてくれた鈴音に少しくらいは 感謝してもいいのかもしれないな。 そんな平和をかみしめていたら、いつの間にか放課後になっていた。俺は校門を 出て町へと向かう。そのまま帰ってもどうせ意味もない。今日はバイトもないのだから 本屋にでも寄ってみるか。そう思っていると、見知った顔に出くわした。 「おい、お前最近顔見せないじゃねえか。もしかして抜けたいとかぬかすんじゃないだろうな。」 昔の走り仲間の頭だった。こいつ等とつるんでたのは数か月前のことなのに、なぜかとても 昔のように感じる。 「走ろうにも事故ったんでバイクないんすよ。それにそろそろ飽きたんでやめますわ。」 世の中には余計な事を言わなければということが往々にしてある。どうやらそれを 今の俺は言ってしまったらしい。 「お前!その態度は何だ!」 「よお、何してんだ。」 「あ、兄貴。こいつがうちを抜けるって抜かしてるんですよ。」 「そいつはいかんなあ。ちょっとわからせてやるか。」 なんか人様に迷惑を掛けながら生きる職業な人が出てきましたよ。どうやら そういう繋がりがあったらしい。その後、似たような方々が続々と集まり 俺は路地裏に連れて行かれそうになった。その時 「おい、お前たち。うちのバイトに何か用か?」 お手製のエコバック(やっぱりキリン柄)を片手に、うちのボスが平然と声をかけてきた。 「なんだー、このお嬢ちゃんは?子供はとっととお家に帰って勉強でも してな。」 「誰に対してその物言いをしているのだ?」 「はっはー、お嬢ちゃんもこいつと同じでちょっとわからせてやるか。」 「兄貴、こんなガキなんかほっときましょうぜ。」 「子供でも今のうちから覚えさせておいたほうがいいんだよ。俺たちに 文句言うとどういうことになるかってことをな。」 終わった…。もちろん終わったのは俺ではない。 その後、人のいない倉庫に連れて行かれた俺は一般にはありえない光景を目にした。 20人のその筋の男たちを軽くいなす…というか、どうみても半数は意識不明レベルにまで 追いやったその姿を。ちなみに俺は2人を気絶させるのが手いっぱいだった。 「おい。」 「な、なんだよ。」 「お前も知り合いぐらいはまともなのを選べよ。」 返す言葉もなかったのは言うまでもな…って別にあいつ等は友達じゃないのだが。 |