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見た目は大切 「会わないほうがいいって、そんなに凄いのかその人は?」 「そういう意味で言ったのではない。」 いまいちこの娘の真意が掴めない。まあそれはともかく今は 勉強を続けなければならない。それにしても数学というものは 何故こうまでに人を追い詰めようとするのだろうか。どう考えても 人間に解けるとは思えない数式ばかりだ。 「この程度も解けないのか、お前は。」 「そういうおま…、所長は解けるのかよ。」 鈴音は胸ポケットからシャープペンシルを取り出すと、すらすらと 呪文を唱えるが如く問題を解いていく。 「中学生なのに高校の問題を解けるとは、さすがに所長だけあるな。」 俺は素直に感心したが、鈴音の表情が何故か怒りに満ちているように見える。 「言っておくが私はは・た・ちを超えている。」 二十歳を強調する鈴音。そうでしたか、人を身長で判断するのは よろしくありませんね。たった今そのことを体で覚えました。 でも141cmちょっとだとどうしても中学生にしか見えないんだよな。 服のサイズもきっとそれくらいで十分いけそうだし。 「お前は死に急ぎたいみたいだな。」 「な、また人の心を…」 「口に出してるぞ。」 「ど、どこから!」 「でも141cmちょっとのところからだ。」 のっけからですか。 「なぜ141cmと判った?」 「一応俺の特技みたいなものだからな。」 意外そうな顔で俺を見る鈴音。そうなのだ。俺は目で見ただけで、だいたいの 長さを測ることができる。正直生活で役に立つことはないから特に意味は無いのだが…。 「大切にしろよ、その特技。」 諭すように鈴音は言った。 |