Favorite(読書編)
                  
最終更新日2003/11/06

 

 有名どころばかりならんでしまった(^_^;)

 あくまで、わたしが読んだ本の情報ですので、文庫落ちしていれば値段は安くなっているでしょう

書  名 著者 出版社 値段 コメント
玩具修理者 小林泰三 角川文庫 480円

かなり有名な作品にも関わらず、今まで読んだことはありませんでした。それを後悔させるような出来の良さだと思います。ホラーの短編部門で大賞を取っただけはあります。描写のうまさもさることながら、展開の読めない恐さを強く感じました。
 で、それ以上に気に入ったのが、もう一つ収められている「酔歩する男」です。タイムトラベルをこう料理するのかと感心してしまいました。私自身、ライトな理系好きなので、量子や波動関数を小説の中でうまく使っているのを見ると、非常にうらやましく思います。こういうのを自分でも書きたいなと。
 ホラー物に耐性のある方にお薦めです。
お薦め度★★★★☆(2003年11月6日)

奇跡島の不思議

二階堂黎人

角川文庫 895円

島という題名が付いているだけあって、孤島モノの推理小説です。しかも良心的なストーリー展開。久々に読み進んでいくのが楽しかったのは、本格モノに未練があるからでしょうか。それ関係に興味のある方は読んでみる価値はあるでしょう。
お薦め度★★★☆☆(2003年11月3日)

四季 春

森博嗣

講談社ノベルス 800円

あの犀川シリーズの番外編ともいうべき作品。四季とはあの博士のこと。で、この作品なんですが、純粋にこの作品オンリーで考えると、ちょっと肩透かしかなという感じを受けました。森さん、もっと作品に時間かけましょう。それとも、この作品の意図を読みきれないのは、単に私の凡人さのせいでしょうか。頭がいい=お金がじゃんじゃん稼げる、という式は成り立たないのでは?それと取り巻きに身元不明な人多すぎ。
お薦め度★★☆☆☆(2003年9月28日)

巷説 百物語 京極夏彦 角川文庫 629円

大御所である京極大先生の作品であるがゆえに、相応のレベルを要求してしまうのですが、さすがというか、その身勝手な要求にきっちりと応える辺りはさすがです。何本かの短編が収められているのですが、その中でも「帷子辻(かたびらがつじ」が良かったです。百物語ということで、怪談なのかなと思いましたが、ちょっと気色が違いました。恐くはないです。
お勧め度★★★★★(2003年7月14日)

TRICK 蒔田光治
林 誠人
角川文庫 600円

実にエンターテイメントな作品でした。ドラマ、映画にもなっているせいもあるのでしょうか、映像になりやすそうなシチュエーション、キャラ、シナリオで、それが行き過ぎると安っぽい小説になってしまうのですが、この小説は実にうまくまとまっていました。正直、なかなか面白かった。「笑い」もさりげなく散りばめられていて、トリックも機知に富んでました。
お勧め度★★★★☆(2003年6月30日)

十二人の手紙 井上ひさし 中公文庫 520円

 彼の小説もおそらく初めて読んだと思います。この小説は生々しかった。文章がうまいんですが、それがリアルすぎてちょっと恐かった。 良くも悪くも「昭和」を感じさせる一品。私はちょっと苦手ですが、小説としての質はかなり高いと思います。
お勧め度★★☆☆☆(2003年6月30日)

KYOKO 村上龍 集英社 476円

 村上龍の小説を初めて読みました。予想以上に平易な文章でした。しゃれた文章を書くイメージを持っていただけに、ちょっと意外な感じを受けました。日本人の女の子が単身アメリカに渡り、自分にダンスを教えてくれた人を探し出す話で、何人かの登場人物の視点に立った女の子像が描かれつづけます。「天使」のような女の子とそれを取り巻く俗世間の人々。その対比を通して現代という風景を切り落としてみせてくれます。この人については、スポーツ対談しか読んだことのない私にとっては、なかなか良い発見でした。
 余談ですが、巻末に収められていた、いろんな人々の感想文は読めなかった…独自の世界すぎます…
お勧め度★★★☆☆(2003年6月30日)

美濃牛 殊能将之 講談社 1300円

 ご存知「ハサミ男」の人(と書いてどれぐらいの人が分かるのだろう。今のミステリ事情には疎い故)です。良くも悪くも一時代を築いた「新本格モノ」の流れを受け継いでいることは間違いないでしょう。当時であれば、巨匠たちの仲間入りも夢ではなかったかも。その手の本がすきな人は、読んでもいいかもしれません。そうでない方は、敬遠したほうがよろしいかと。
 プロローグとエピローグの書き方は結構好き。あと探偵が、なんで偽称して活動していたのかは、よくわからなかった。
お勧め度★★☆☆☆(2003年6月8日)

飛蝗の農場 ジェレミー・ドロンフィールド 創元推理文庫 1060円

「このミス」洋版第一位の作品にも関わらず、私的には?。私の読解力が低いせいか、登場人物が少ないのに、話の流れを掴みきれなかった。ジャンルとしては、サイコとホラーの融合といった感じ(いわゆるサイコホラーとはまた違う)。濃密な描写という表現がぴったりな文章が展開されているが、登場人物の行動心理が掴みづらかった。とはいえ、読感は新鮮で、新しい分野の小説ともいえます。好みが分かれる大作。読んで損はないが…
お薦め度★★☆☆☆(2003年2月15日)

大江戸生活事情 石川英輔 講談社文庫 571円

江戸時代の人々の生活が垣間見られる一冊。この時代はそんなに昔でもないのに、日本の歴史を眺めてみると江戸時代と明治時代との間に大きな壁があるように思える。まるで江戸時代など日本ではなくどこか遠くの国のように。しかし、今でも土地や国民性に脈々と受け継がれている。
平和だった日本の良さを実感できます。現代をちょっと批判し過ぎだけど。
お薦め度★★★★★(2003年1月24日)

サイレント・ジョー T・ジェファーソン・パーカー 早川書房 1900円

このミス洋版第二位の作品。幼児期に父親に硫酸をかけられ、顔に傷を負った男の物語。そのため、主人公の内面的な葛藤が大きな役割を果たす。養父殺しの犯人を追うストーリーで、他に汚職、誘拐、ギャングなどが複雑に絡み合うものの、最後まで展開が大きく逸脱することはない。作者の真面目さが伝わる作品でした。
個人的には、その真面目さがちょっとひっかかるかな。
お薦め度★★☆☆☆

首都消失 小松左京 徳間文庫 各500円(上下)

1986年の作品。発売当時に読んだ覚えがあるが、自分が期待していたものと違ったために、途中で挫折した。当時からSFが好きで、広告を見たときに得体不明の雲をめぐる小説だと思い込んでいたので、外交や行政の建て直しがメインでは、頭がついていきません。今読んでみると、冷戦末期の米ソ日の微妙な関係が描写されていて、懐かしく思う。
もし、この雲が2003年の東京を覆ったら?と考えると、全く違った状況になるんだろうなあ。
蛇足だが、雲の正体が未知のもので、宇宙の何者かが意図的に東京を覆ったという説を、科学者が世界に向けて公表する部分はちょっと笑った。
政治、軍事に興味がない人が読むのはちと辛いかな。
お薦め度★★★★☆

半落ち 横山秀夫 講談社 1700円 ’02年度「このミス」第1位という評価は妥当か?確かに面白かったが、私の抱いているミステリのイメージとは少し違っていた。「動機」の時と同じように登場人物たちのリアリティがストーリーの中核となっている。多くのサラリーマンが共感を持って読むことの出来る秀作。お薦め度★★★☆☆
蒼穹の昴 浅田次郎 講談社 各1800円 浅田次郎の代表作。有名なのは映画にもなった「鉄道員」ですが、こちらのほうが断然好きです。
中国清朝末期、宦官、科挙進士となった幼馴染みの二人が、野望渦巻く政治と貴族の世界へと飲み込まれていく話です。
異邦の騎士 島田荘司 原書房 2500円 「十角館〜」と共に私の数年の読書傾向を決めた一冊。「斜め屋敷〜」「水晶のピラミッド」「眩暈」などの名作に登場する名探偵、御手洗潔の実質的なデビュー作にして代表作です。吉敷刑事の登場する「奇想、天を動かす」もいいですね。
崖の館 佐々木丸美 講談社 430円 独特の詩的な文体。ファンタジックでミステリアスな雰囲気の中に潜む冷徹なロジック。「水に描かれた館」「夢館」も要チェックです。
すべてがFになる 森博嗣 講談社 880円 京極とともに一時代を築いた現役名大助教授のデビュー作。最近マンガにもなったらしく、機会があったら読んでみたいです。10作続いたS&Mシリーズはとても好きでした。
総門谷 高橋克彦  ―  ― 世の中にはこんなに面白い話があるのだと教えてくれた小説。というのも小学生の頃、新聞連載されていたのです。イエスやジャンヌダルクなどの歴史的有名人がわんさか登場し、UFOやら神やら大騒ぎというSFもの。
十角館の殺人 綾辻行人  ―  ― いわゆる新本格もの(もう古い?)の旗手。大昔、二本松駅前のコンビニで偶然手にとり、推理小説ってのはこんなに面白いのかと実感した一冊です。「時計館の殺人」「水車館の殺人」「霧越邸殺人事件」はとても良い。
魍魎の匣 京極夏彦 講談社 1200円 言わずと知れた大御所のデビュー作。京極本はときに弁当箱と形容されますが、その分厚さがかえって嬉しいと感じさせてくれるほど面白い。
ドグラマグラ 夢野久作 角川文庫  ― 精神病院を舞台とした、推理小説とも幻想小説ともいえない摩訶不思議な歴史的名作。読み進めていくうちにセイシンに変調ヲキタスカもシレマセン。蛇足ながら他の歴史的名作である「虚無への供物」「黒死館殺人事件」はわたしには難しすぎます。
極大射程(上下) S・ハンター 新潮社 各662円 ページをめくるごとにどんどん面白くなっていく「2000年このミステリーがすごい」海外部門第一位作品。ハードボイルドっぽいのですが、緻密な仕掛けがあったりとても楽しめます。
少年時代(上下) R・マキャモン 文芸春秋 各1942円 作者が少年時代を思い出すといった構成なのですが、その世界には万人に通じるようなノスタルジーが溢れています。
月光ゲーム 有栖川有栖 東京創元社 1553円 クイーンを意識するだけあって、論理的な推理が冴える一作。続編にあたる「孤島パズル」「双頭の悪魔」とセットでどうぞ。
匣の中の失楽 竹本健治 講談社 1100円 「異邦の騎士」にもいえることですが、彼らが若い時に書いたせいなのか、昇華しきれていない、とてつもないエネルギーを感じることができます。作中作をはじめ、なんでもありの奇跡的な一作。すごいとしか言い様がないですね。
クリスマスのフロスト R・ウィングフィールド 東京創元社 850円 がさつ、不潔、ものぐさという、ダメ中年おやじが主人公なのですが、それが何故か憎めず、とてつもなく面白い小説に仕上がっています。